80年代にビデオレンタル屋で並んでいた映画のようだ。『スタンド・バイ・ミー』（86年）を彷彿とさせる、少年たちが危ない冒険に乗り出す物語で、主人公デイビーは隣家に住む警察官マッキーが巷を騒がす連続殺人鬼ではないかと疑う。その調査の合間にも仲間たちは両親の離婚問題などで心が傷ついていく。シンセサイザーの音楽がいかにも80年代オマージュといった趣だ。しかし脚本はしっかりしていて、少年たちの探索はとてもスリリング。デイビーは元々怪奇事件やミステリーが大好きな少年で、連続殺人事件を捜索するのはワクワクする出来事なのだが、それは冒険の範疇を越えて、真実という危険に踏み込んでいく。幸福な少年期の終わりに向かう物語に、胸を突かれる映画だ。

19/7/31(水)