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ノージャンル、ノーボーダー。個人的アンテナに引っかかるもの
佐藤 久理子
パリ在住、文化ジャーナリスト
ゴールデン・リバー
19/7/5(金)
TOHOシネマズ シャンテ
ホアキン・フェニックス、ジェイク・ギレンホール、リズ・アーメッド、ジョン・C・ライリーによる西部劇、と聞けばハリウッド映画を連想しそうだが、監督は『ディーパンの闘い』『君と歩く世界』などで知られるフランスの巨匠ジャック・オディアール。フレンチタッチならぬひと味異なるウエスタンと言えるだろうか。 ゴールドラッシュの時代に、凄腕の殺し屋兄弟と、彼らの連絡係が化学者を追いかける。だが、ユートピアを夢想するカリスマ的な化学者に誰もが感化されていく。思想的なテーマを持ちつつ西部劇のドラマティックな醍醐味を維持し、4大俳優の演技バトルをきっちり見せる。アレクサンドル・デスプラ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)による音楽もどこかフランス的な洒脱さを感じさせる、オススメの1作。
19/7/5(金)