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水先案内人のおすすめ

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映画史・映画芸術の視点で新作・上映特集・映画展をご紹介

岡田 秀則

1968年生まれ、国立映画アーカイブ主任研究員

ジョン・ルーリー展

ジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』ではギャンブル狂いの男を、『ダウン・バイ・ロー』ではダメ男にして図太い囚人を演じたジョン・ルーリーの存在感は圧倒的だった。本職は言うまでもなくサックス奏者だが、難病にかかって音楽からも演技からも退いたルーリーが、その後情熱を傾けているのは絵の創作である。 だがそれがまた、人を食ったユーモアに溢れた、そこかしこで爆笑必至の作品ばかりなのだ。動物の出てくる絵が多く、特に鳥が大きな位置を占めるのだが、どれも簡素ながら不可思議な姿をしていて、ヘンなセリフまで吐くことがある。さらに参ってしまうのが、絵と題名のマッチングだ。隅っこにぼんやりと猿の顔を描いておいて、題名が『サルのせいでこの絵は台無し』とは、美術館の静かな空間でも吹き出さずにいるのは無理だ。 ルーリーが友人たちを招いて撮った型破りな釣り番組『FISHING WITH JOHN』もビデオで観られる。ゲストのジャームッシュが、どうして俺はこんな所にいるんだ、と漁船の上で自問しながら、結局は必死でサメと格闘する姿も見逃せない。急ぐべし、7月7日まで!

19/7/2(火)

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