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ノージャンル、ノーボーダー。個人的アンテナに引っかかるもの

佐藤 久理子

パリ在住、文化ジャーナリスト

ラ・ポワント・クールト

映画業界で女性の地位の向上が求められる昨今、フランス映画界における女性監督の草分けのひとりが、2019年に90歳で亡くなったアニエス・ヴァルダである。写真家としてスタートした彼女は、アラン・レネより、ゴダールより、アントニオーニよりも早く、男女の愛の不毛を撮っていた。それが1954年のモノクロの初監督作『ラ・ポワント・クールト』だ。 フランスの小さな漁村で、パリからバカンスに訪れた妻を迎える夫。別れ話を切り出す妻は真剣に別れたいのか、戯れなのか。実存主義的な内容と庶民の生活を描写するドキュメンタリー的な要素の融合が、写真家の眼差しによって独特の構図で描かれる。 このセンスにハマったら、ぜひとも同時公開される彼女の遺作ドキュメンタリー『アニエスによるヴァルダ』と、パリの地元を写した1975年の作品『ダゲール街の人々』も併せて鑑賞し、ヴァルダのことをもっと知って欲しい。

19/12/21(土)

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