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歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!

五十川 晶子

フリー編集者、ライター

国立能楽堂 8月企画公演

一口に伝統芸能といってもさまざまあるが、実は互いにネタを取り合い、キャラを遣い回ししながらバージョンアップさせて現在まで命脈を保ってきたという側面もある。能狂言、文楽や歌舞伎、落語・講談、映画・時代劇、もっといえばアニメやゲーム……などなど。その順序に多少異同はあっても、前代にウケたテーマやストーリー、キャラクターに当世風がちょっと加わり、イキイキと魅力を保ちつづけてきた。 国立能楽堂のこの企画公演では、そんな日本の伝統芸能ならではのユニークさの一端が覗ける。テーマはなんと「博奕」。 講談は『天保水滸伝 笹川の花会』、笹川繁蔵と飯岡助五郎という対立する網元の親分同士の物語で、講談師は神田松鯉(神田松之丞のお師匠さん)。 落語では、狸の子の恩返しのお話で『狸賽』を柳家花緑だ。 狂言(和泉流)は、閻魔大王と、地獄に落ちてきた博奕打ちとのサイコロを振っての勝負という『博奕十王』で野村萬斎。 同じテーマだからこそ、それぞれの芸能の面白さに気づくはず。 野村萬斎は日本の芸能は“スダレ文化”と呼ぶ。中世の宗教劇から現代劇まで互いにマウンティングしながら、時代に合わせて姿を変えてきた西洋演劇。一方、各時代に誕生して人気を誇った芸能が、それぞれその時のスタイルを(一部)保ちながら、今も現役で魅力を放つ日本の伝統芸能。そんな“スダレ感”を楽しめる公演になりそうだ。

19/8/23(金)

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