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ホラー、ミステリー、トンデモ映画が大好物

春錵 かつら

映画ライタ―

ポラロイド

「写真を撮ると魂が抜かれる」そう言われた時代があったとか。 これはそんな昔の迷信がそのまま起きてしまう恐怖を描いたライトでコンパクトなホラー。そのポラロイドカメラで写真に撮られた人間は、言葉通り何者かに魂を抜かれる(殺される)ハメになる。 本作の元となったのは同タイトルの約15分のショートフィルム。その短編は2015年にスペインの映画祭で最優秀ショートホラーフィルム賞を獲得し、当時無名だったラース・クレヴバーグ監督は、ハリウッドで長編セルフリメイクのチャンスをものにした。 スマホの画面を指で弾くだけで静止画が撮れることが当たり前の今となっては、補正もエフェクト機能もない、ただ写真を撮るだけのゴツい箱の存在は「ダサかわい」くて逆に新鮮なのかも知れない。実際に「インスタ映え」の流行語が生まれる一方で、小型インスタントカメラ「チェキ」は、若い世代を中心に今も再燃した人気を維持している。 主役であるポラロイドカメラに実在のSX-70を起用したことは惜しまれるが、ポラロイドカメラのバッテリーチャージ音にこれだけの不穏感を見出したのは素晴らしい。 今日もどこかで誰かがレンズ越しに微笑む。二度と戻らない一瞬を、永遠に留めるために。

19/7/15(月)

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