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水先案内人のおすすめ

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演劇鑑賞年間300本、記者歴40年のベテラン

大島 幸久

演劇ジャーナリスト

ワンツーワークス ドキュメンタリー・シアター『29万の雫-ウイルスと闘う-』

古城十忍が率いるワンツーワークスはあえて言えば、特異な集団だろう。常に社会問題を主題に置き、鋭く、深く抉って問い掛けてきた。今回もそうだ。『29万の雫・ウイルスと闘う』は古城の構成・脚本・演出。そして一方で「取材」とあるのが、劇団ゼロQと宮崎の演劇人。新聞記者出身の古城は、問題の核心を得るため多数の証言を取材し、劇化してきた。 今作は猛威をふるった家畜伝染病「口蹄疫ウイルス」だ。2010年、宮崎県中東部を中心に“非常事態宣言”が発令された感染爆発問題。インタビュー取材で得た関係者は約100人という。生々しい証言だ。「知ってもらうことの大切さ、重大さを伝える」。たとえ限定的な地域での出来事、ニュースでも目に見えない敵と闘う人々の行為を忘れてはいけないー。奥村洋治、関谷美香子ら中心メンバーが一丸となって描く物語。宮崎・小林市山身の古城の執念が見られるだろう。

21/7/14(水)

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