川瀬陽太が絶好調だ。『シン・ゴジラ』で三浦貴大と共に首相官邸に詰める記者役として出てきた短髪の俳優といえば、インディペンデント映画をあまり観ない人でも思い出してもらえるだろうか。ここ数年は、メジャー映画、インディペンデント映画を問わず引っ張りだこである。その理由は主役から脇役まで、荒ぶる役も気弱な役も自在にこなす演技幅の広さと、主役ならばあらゆるタイプの演技を受け、脇役ならば絶妙な存在感――必要に応じて思い切り目立つこともあれば、その逆もある――を見せてくれるからだ。 主演作『天然☆生活』で演じるのは50歳の無職男である。叔父の介護を引き受け、田舎で当座の生活をしのいでいたが、叔父が亡くなっ...

19/3/21(木)