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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる

村山 匡一郎

映画評論家、大学講師

死霊魂

王兵監督の8時間半に及ぶ長尺のドキュメンタリーだ。1950年代後半の中国で起こった"百家争鳴"キャンペーンに続く"反右派闘争"という毛沢東による策略でゴビ砂漠の収容所に送られた知識人や役人たち。その過酷な体験を生き残った人々にインタビューした世界である。全編は3部構成からなり、"反右派"という名指しのデタラメな判断、収容所での飢餓状況における死の恐怖、あるいは残された家族の悲哀などが浮き彫りにされていく。そのほとんどがカメラの前で体験者が語るシーンで構成されているが、その証言内容は衝撃的であり、観ていて飽きることはない。現在の収容所跡地に散見される多くの人骨を見ると、権力に固執する施政者が普通の市民をないがしろにする欲望の凄まじさに驚かされる。

20/7/30(木)

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