お供に従えるのは、猿と犬とキジ…ではなく、猿と猫とコウモリ。「桃太郎」!?　否、本作はいけてるシュールなジュブナイルホラーだ。 日本の人里離れた村に暮らすアメリカ人少年ボビーは、ある日、親友のあっくんと通りかかった村はずれの山で、〈体感型アトラクション バイオレンス・ボイジャー〉と記された看板に惹かれ足を踏み入れる。しかしそこはマッドサイエンティストが営む施設だった─。 最先端技術を駆使すれば、表現できないものはないだろうと言われる現代。そこを“あえて”の紙人形劇のように撮影した、超シュールな“劇メーション”。雄弁な静止画がクセになる。 監督を務めたのは、京都在住の新進気鋭クリエイター、宇治茶。監督だけでなく、脚本、編集、キャラクター造型、作画、撮影の6役をひとりでこなした。 ずっと続いて欲しい夏休みが、永遠に終わらなかったら……それは悪夢以外のなにものでもない。

19/5/21(火)