『シャーロック・ホームズ』『キング・アーサー』『アラジン』など大作に専念していた観のあるガイ・リッチー監督久々の中規模のクライム・アクション。監督デビュー作『ロック、ストック＆トゥー・スモーキング・バレルズ』、2作目の『スナッチ』にしびれてG・リッチーのファンになった人には嬉しい新作だ。 G・リッチーらしいキレとスピード感ある演出、分かりやすく面白いお話、キャストの充実。3拍子そろっている。現在から過去へ、過去から現在へと目まぐるしく時空が変転する、タランティーノ作品をひと廻り小ぶりにした感じの構成と演出。ひと癖もふた癖もあのワルたちが莫大な利権をめぐり、裏の裏をかくスリリングな駆け引きが展開するというシンプルな物語にエッジのきいたセリフ。先が読めない展開はかつてのリッチー映画そのもの。壮絶な騙し合い映画なのだ。 イギリス・ロンドンの暗黒街に、一代で大麻王国を築き上げたマリファナ・キングのミッキーが、総額500億円にも相当するといわれる大麻ビジネスのすべてを売却して引退するという噂が駆け巡った。その噂を耳にした強欲なユダヤ人大富豪、ゴシップ紙の編集長、ゲスな私立探偵、チャイニーズ・マフィアらワルたちが一気に動き出す。 ミッキー役を『インターステラー』のマシュー・マコノヒーが演じるほかチャーリー・ハナム、ヘンリー・ゴールディング、コリン・ファレル、ヒュー・グラントら豪華なキャストが顔をそろえているのが嬉しい。 『女王陛下のお気に入り』『キングスマン』など、最近のイギリス映画からは目が離せない。

21/4/28(水)