京都市の四条大宮、嵐山、北野白梅町などを結んで走る京福電鉄嵐山線、通称“嵐電（らんでん）”。当地の歴史ある街並みや自然に溶け込んだこの電車をモチーフに、まさにオンリーワンと言っていい摩訶不思議な映画が誕生した。 取材のために鎌倉からやってきた作家（井浦新）や、映画撮影所近くの弁当屋に務める女性（大西礼芳）らが織りなす群像劇。駅でめぐり合ったり、列車であちこちを移動する男女のささやかな恋や冒険のエピソードが、現実と夢、現在と過去の垣根をふわふわと超えながら展開していく。 さらには都市伝説、妖怪、8ミリフィルムなどの多様なエッセンスを自由に取り込んだ映像世界は、観る者を日常風景の“すぐそこ”にある異世界へと誘う。詩情と人情が豊かに息づく魅惑的な電車映画、お見逃しなく！

19/5/25(土)