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一瞬がすべてを救う映画、だれも断罪しない映画を信じています
相田 冬二
ライター、ノベライザー
第三夫人と髪飾り
19/10/11(金)
ル・シネマ
男性にしか分からない感覚には大した価値はないと思うが、女性にしか分からない感覚には大きな価値があると思うのは、私が男だからなのか。女という存在に期待しすぎているからなのか。 まあ、とにかく、これは女性にしか分からない感覚がある、という真実を、涼しく健やかに伝えてくれる映画である。 話を追いかけてはいけない。たぶん。いや、別に難解なわけではないのだが、ストーリーよりもはるかに大事なものがこの世界にはあって、それを、できるだけまっさらな気持ちで受けとめることができさえすれば、あなたは、この作品の価値を高めることができるだろう。 姫にかしずく。という感覚はおそらく男性だけのものだと思うが、この感覚で接すると、より好ましい結果がもたらされる。 この世界を司っているのは、女である。 そのことが体感できて、私はラッキーだ。美を超える美。そこにふれるチャンスが、いま、到来している。
19/10/8(火)