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巨匠から新鋭まで、アジア映画のうねり

紀平 重成

1948年生まれ コラムニスト(元毎日新聞記者)

茲山魚譜-チャサンオボ-

韓国のイ・ジュニク監督と言えば『王の男』や『金子文子と朴烈』など歴史上の人物にスポットライトを当てた作品を好んで撮る監督というイメージがあります。といっても王様を主人公にした『王の運命 歴史を変えた八日間』は父と子の確執を描いた人間ドラマだし、芸人の数奇な運命をたどる『王の男』や抑圧された者同士の愛と抵抗を描いた『金子文子と朴烈』も時代に翻弄された側の目線が明瞭です。偉大な英雄など全く出てきません。 本作の主人公も韓国で有名な海洋生物学書「チャサンオボ」を書いた天才学者と彼を師と仰ぐ弟子の猟師による心の交流が描かれます。モノクロ画面だし題材も地味。それでも見入ってしまうのは真の人生の価値に気付いてその人らしくなっていく過程がしっかりと描かれているからでしょう。 名優ソル・ギョングと『太陽は動かない』のピョン・ユハンが熱演です。

21/11/18(木)

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