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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

ソング・トゥ・ソング

テレンス・マリックの名の下に集まった名優揃いの演技のコラボレーションは、聴覚も刺激する心のうちをナレーションで表現するマリック節により五感を刺激し、エマニュエル・ルベツキの絵画のように切り取られたり、浮遊するようなカメラワークでさらに視覚的にも酔いしれる作品に。 ピアノやギターをさりげなく演奏しながら歌い、恋人と戯れるシーンは、ライアン・ゴズリングでしか演じられないし、ゴージャスで破天荒で狂気的なプロデューサーは、もはやマイケル・ファスベンダー以外思いつかない。そこに少女の香りをほのかに残すルーニー・マーラとナタリー・ポートマンという女優陣が立つだけで、役者はボディラインでも演技しているのだと納得してしまうのです。 イギー・ポップやパティ・スミス、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど、ミュージシャンたちが登場し、自然体で言葉を紡ぐのもマリック監督のリリック的なアプローチにマッチしていて心地良いし。 認められたい、輝きたいから、誰かに寄り添って生きていく。恋愛の美しさや儚さを歌とメロディと肉体に詰め込んだアートのような世界観、全神経を集中して取り込みたくなる映画でした。

20/12/21(月)

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