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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる

村山 匡一郎

映画評論家、大学講師

台湾、街かどの人形劇

台湾の伝統芸能である「布袋戯」。その巨匠である李天禄は1998年に亡くなったが、候孝賢監督の『戯夢人生』などの出演を通してわが国の映画ファンにも知られている。その李天禄にはふたりの息子がいるが、本作は長男で人間国宝の陳錫煌の人生を追ったドキュメンタリーだ。陳錫煌は長男でありながらも母親の姓を継いだため、父親の劇団は弟の李傳燦が受け継いだ。少年時代から人形遣いの芸を学んできた陳錫煌にとって父親の李天禄は偉大な師匠であるがゆえに、彼は親子であると同時に師弟であるという心の葛藤を抱いてきた。そんな陳錫煌の姿を、「布袋戯」の歴史とともに描き出す。陳錫煌の個人史であると同時に「布袋戯」の文化的・歴史的な位置づけであり、両者を巧みに融け合わせた世界が面白い。

19/11/28(木)

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