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水先案内人のおすすめ

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新進女優や新たな才能にフォーカスした作品を中心に紹介

イソガイマサト

フリーライター

明日の食卓

椰月美智子の同名小説を『64-ロクヨン-』(16)『楽園』(19)などの瀬々敬久監督が映画化した本作は、“石橋ユウ”という同じ名前の小学5年生の息子を持つ3人の母親の姿を通して家族の光と闇、子育ての難しさと親子の心の乖離をまざまざと炙り出す社会派ミステリーだ。 フリーライターの留美子(菅野美穂)は仕事と家事に追われ、そのストレスの矛先をヤンチャな悠宇に向ける。シングルマザーの加奈(高畑充希)は息子の勇を育てるために昼夜を問わず働き続けるが、勇の寂しさや悩みに気づかない。現実から目を背けるように生きてきた専業主婦のあすみ(尾野真千子)は、“いい子”を演じる息子・優の本当の顔を知らなくて……。 彼女たちのささやかな幸せが些細な出来事によって崩れていく本作の展開は、子供のいるどこの家庭でも起こり得るもの。そして最悪の場合は、取り返しのつかない悲劇を生むことにもなる。果たして誰が“ユウ”を殺したのか? 映画のトリックが、劇中で起こることを観客ひとりひとりの問題に引き寄せるから、観終わった後も複雑な余韻に包まれるに違いない。

21/5/25(火)

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