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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

わたしの叔父さん

一昨年の第32回東京国際映画祭コンペティション部門で東京グランプリ/東京都知事賞を受賞したデンマーク映画『わたしの叔父さん』。審査委員長のチャン・ツィイーは、「詩のような語り口、繊細なカメラワークで忘れ去られる人間の情感を力強く表現した」と称賛した。 デンマークの美しい農村で年老いた叔父さんと家畜の世話をしながら暮らす若い姪のクリス。彼女のかつて抱いていた夢や恋愛に葛藤する愛の物語だ。美しい風景や素朴な村民の生活描写も素晴らしいのだが、何よりも心打たれるのは叔父を思うヒロインの優しさだ。体の不自由な叔父の身づくろいから始まり、食事の支度、酪農の過酷な労働。獣医師になる夢や結婚への憧れが淡々と綴られる。 観終わったあとで知ったことだが、監督のフラレ・ピーダゼンは「小津安二郎を映画の師と仰いでいる」そうだ。1980年生まれの41歳。本作が長編2作目だという。デンマーク映画といえばラース・フォン・トリアー監督があまりにも有名だ。そんなデンマーク映画界にラフレ監督のような、小津を敬愛する「何気ない日常の一瞬のきらめきを掬い取る見事な手腕を持つ」映画監督が出現したことを喜びたい。 余談だが2021年2月28日をもって休館となるYEBISU GARDEN CINEMAでは、休館前最後のロードショー作品となる。

21/1/27(水)

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