これは中欧チェコで製作された、とてつもなくセンセーショナルなドキュメンタリーだ。もしも子供が“12歳・女子”というプロフィールでSNSにアカウントを開設し、“友達募集”をしたら何が起こるのか？ 児童虐待を犯罪とも思わない病んだ大人たちが、うようよと群がって卑猥な誘惑を仕掛けてくる世にもおぞましい現実。とても子供には観せられないが、子を持つ親は必見であろうこの映画、ネット上の変質者たちをあぶり出すために作り手が用意周到に仕組んだギミックにも驚かされる。 18歳超の童顔の女の子3人をオーディションで選抜し、スタジオ内に建造したフィクショナルな“少女の部屋”のセットで撮影を実施。そのセットでは男女ふたり組の監督、弁護士や心理カウンセラーらの専門家が事の成り行きを注意深く見つめ、少女役の女優たちを守りながら随時指示を送る。可視化されたSNSの闇に悪寒を覚え、緊迫した撮影の舞台裏からも目が離せない一作だ。

21/4/23(金)