世界中がほぼ知っている愛すべきキャラクター、ムーミンを生み出したトーベ・ヤンソンの生き様に迫る劇映画。 「ムーミン」の愛読者としては、キャラクターたちが放つ哲学的な台詞の数々に魅力され、それこそがムーミン本が児童文学に留まらず世代を越えて愛される理由だと思っています。だからこそ、トーベの脳内は複雑で好奇心に満ちていて、ムーミンパパとムーミンママが彼女の家庭環境を映し出し、スナフキンのような場所や考えに囚われない旅人や、トゥーティッキがトーベの後期のパートナーがモデルとなっていること、考え方に影響を与えていることなどが映画では綴られています。 固定概念を外し、興味があることには飛び込み、性別に囚われないファッションや愛に身を投じるトーベ自身が魅力的だから、ムーミンが世界で愛されていると理解できる作品。 自分の心としっかり向き合いながら道を歩んできた彼女の姿がムーミンの影を映し出し、独特の言葉選びや考え方、愛を映し出した芸術の数々が、観る者の心を解放し、刺激していきます。

21/9/23(木)