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歯に衣着せない辛口コメントが人気のクラシック業界ご意見番

東条 碩夫

音楽評論家

東京二期会オペラ劇場『タンホイザー』

騎士にして詩人のタンホイザーは、純な乙女エリーザベトと、官能の女性ヴェーヌスとの間を揺れ動く。禁断の歓楽世界ヴェーヌスブルクに足を踏み入れたことで人々から糾弾されたタンホイザーは、ローマに巡礼し、教皇に許しを求めるが拒否され、自暴自棄に陥って自ら身を破滅させようとするが、エリーザベトの犠牲的な純愛により救済される──。 女性の2面性と、その双方に憧れる男性の心理とを巧みに描いたこのドラマには、演出家によりさまざまな解釈が織り込まれるが、今回は鬼才キース・ウォーナーの演出だから、さぞや観客を驚かせるような大胆で新鮮な光景が展開することだろう。 音楽には、有名な「巡礼の合唱」を中心にした序曲、歌合戦の場での壮大な「大行進曲」(第2幕)、叙情的な「夕星の歌」など、おなじみの旋律がたくさん出て来る。 指揮はセバスティアン・ヴァイグレ。歌手陣はダブルキャストで、片寄純也、池田香織、田崎尚美らが顔をそろえる。新制作の注目プロダクション。日本語字幕付きの原語上演。

21/2/10(水)

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