7月に入っていきなり“これだ！”と思える映画が一斉に公開される。軽く5本を越すが、絶対に観逃して欲しくないのが『悪人伝』。韓国映画としては『新感染 ファイナル・エクスプレス』に続き、カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門の正式上映作品に選出され、現地で上映されるやいなや観客たちを熱狂の渦に巻き込み、その勢いのまま本国で劇場公開されると興行収入ランキング初登場No1を記録したというが、観れば納得だ。 極悪ヤクザ組長(マ・ドンソクの怪演が超強力)と暴力刑事が手を組んで連続無差別殺人犯を追い詰めていく話だが、予測もつかない展開と俳優たちのリアルな演技とコリアン・ノワールと呼びたい撮影のトーンなどと相まって、超一級の犯罪アクション映画が出来上がった。早くもシルヴェスター・スタローン製作によるハリウッド・リメイクまでも決定したという。

20/7/16(木)