井口昇監督の伝説のカルトムービー『片腕マシンガール』(08)を、『全員死刑』(17)でメジャー・デビューを果たしたいまいちばん危険な監督、小林勇貴が手加減なしでリブート（再起動）！ 前作もかなりヤバかったけれど、海外のこの手の映画が大好きな熱狂的ファンを意識して作られた本作は、さらにアクセルを踏み込んでいて、やりたい放題だ。パンチラアクションが連続する中、首がぶった斬られたり、顔が避けたり、血しぶきや臓物が飛び交うのだからたまらない。しかも、片腕がマシンガンの姉妹“マシンガール”に扮した新進女優、搗宮姫奈と花影香音が血みどろになりながら銃弾を乱射しまくったと思ったら、元NGT48の北原里英（『サニー/32』）が二挺拳銃の殺し屋を気持ちよさそうに演じ、演技派の大女優・根岸季衣が臓器売買を牛耳る敵のボスをほかでは見られないキレッキレの芝居で怪演！ それなのに、必要以上にグロくないのはコミックテイストだからなのか。外国の映画ファンのように、みんなでワーキャー奇声をあげながら観るのが正しい楽しみ方かもしれない。

19/11/23(土)