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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる

村山 匡一郎

映画評論家、大学講師

カナルタ―螺旋状の夢―

マンチェスター大学グラナダ映像人類学センターに留学中の太田光海監督によるドキュメンタリーである。エクアドルのアマゾン熱帯雨林に暮らす先住民族シュアール族の村で1年ほど暮らしながら、彼らが森と共生する生活を追っている。映像人類学の歴史は古く、映画カメラはその誕生時から人類学や民俗誌学のフィールドワークにおける記録手段として利用されてきた。その映像資料は独自の歴史を築いてきたが、近年はドキュメンタリーとして公開される機会が多い。本作も説明ナレーションも音楽もなく、たとえば住居の作り方や口噛み酒の作り方など、ひたすら村人たちの行動と言葉を記録することで彼らの生活の貴重な細部をとらえている。ストーリー的に無理に語ろうとしていないことに好感が持てる。

21/9/21(火)

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