Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる

村山 匡一郎

映画評論家、大学講師

ちょっと北朝鮮まで行ってくるけん。

1959年から始まった在日朝鮮人の帰国事業。帰国者の多くは南朝鮮出身者だったが、そのなかに1800人ほどの日本人妻がいた。中本愛子さんも在日朝鮮人の夫とともに1960年に北朝鮮に渡った。それから半世紀以上、熊本に暮らす20歳年下の恵子さんが音信不通だった愛子さんの消息を知り、北朝鮮に会いに行く姿を追ったドキュメンタリーである。当時の帰国事業、朝鮮人部落の貧しさなど、当時の記録映像を交えながら、北朝鮮のハムン市に暮らす愛子さんと58年ぶりの再会を果たす恵子さん。ほかの日本人妻とも会い、今後の交流を約束するが、帰国後に恵子さんが目にしたのは日本人妻の親族たちをめぐる冷たい現実である。夫婦や親子の愛と絆が政治や歴史に翻弄される様を見るのはあまりにも哀しい。

21/8/19(木)

アプリで読む