「shiseido art egg」入選者、遠藤薫による個展、『遠藤薫 重力と虹霓』※8/30(金)～9/22(日) 会場に入ると、天井から大きなボロ切れが10枚以上ぶら下っている。東北や沖縄、東南アジアの古布や古雑巾、古布団などだ。それ自体はもはや使用価値がない（と見なされても仕方ないような）ボロだが、こうしてギャラリーに展示されると２つの意味で美的価値が生じてくる。１つは、垂直に吊るされた布からキャンバスを連想するせいか、それぞれが１枚の絵画として見えてくること。年季を帯びた抽象画みたいな。もう１つは、天井から吊ることでしわが寄り、それが今度は彫刻的な美しさを発揮することだ。遠藤は古布を再生させることに熱心なようだが、なにより素材とディスプレイに訴求力がある。

19/9/4(水)