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木谷 節子

アートライター

メスキータ

 19世紀後半から20世紀前半にかけてオランダで活躍した、ユダヤ人の美術家サミュエル・イェスルン・デ・メスキータの日本初の大回顧展! と言っても、大半の人が「メスキータって誰?」と思うに違いない。メスキータとは、だまし絵で知られるエッシャーの美術学校の先生である。オランダ版画界の重鎮であったが、1944年1月末、ナチス・ドイツによって家族もろとも収容所に送られ、3月にアウシュビッツで亡くなった。その直後彼を訪れたエッシャーは、荒らされたアトリエからメスキータの作品約200点を救いだし、戦後、展覧会などをして師の顕彰につとめるのだ。独特な平面性と装飾性を持つメスキータの木版画は白黒の強烈なコントラストや力強さが魅力的。この知られざる木版画家の豊かな造形表現に驚かされることだろう。

19/7/11(木)

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