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水先案内人のおすすめ

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一度逃したら再び観る機会がないかもしれない、ちいさな芝居を中心に

釣木 文恵

演劇ライター

きゅうかくうしお『素晴らしい偶然をちらして』

大河ドラマ『いだてん』で古今亭志ん生の若い頃を演じている森山未來。映画やドラマで活躍する一方、ダンサーとしても多くの公演を行っている。そのひとつ、ダンサー辻本知彦と組んでいるユニットがきゅうかくうしおだ。2010年の公演の後、森山のイスラエル行きなどを挟んで2017年に新作を上演、今回は2年ぶりの公演となる。 チラシやwebサイトでは、映像や制作に加え、照明、音響、舞台監督、宣伝美術の担当まで写真入りで「メンバー」として紹介されている。森山と辻本は「踊り子」とクレジットされている。制作や美術も含めてチームとして動く劇団やユニットはないわけではないけれど、ここまできっちり公演のメンバーとして名前を出すところは、なかなか珍しい。 さらに、webサイトには「CREATIVE TREE」という項目があって、ここではミーティングやリサーチなどの様子が画像や映像で公開されている。見てみると、公演がない時期にもコンスタントに活動を続けていることがわかる。インスタライブなども行って、さまざまな形で発信している様子も見て取れる。「スタッフも含めてメンバー全員で」「時間をかけて」作品をつくっているさまを見せることも、彼らの公演の一部なのだと思う。 二人の男が身体でぶつかり合う、その後ろに作り手とプロセスが見える。そんな多角的な作品を、きゅうかくうしおは作ろうとしているのだろう。

19/11/6(水)

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