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木谷 節子

アートライター

千葉市美術館拡張リニューアルオープン・開館25周年記念 宮島達男 クロニクル 1995−2020

LED(発光ダイオード)のデジタル・カウンターを使用した作品で知られる宮島達男の、首都圏では12年ぶりとなる個展。美術館と区役所が併存していた建物内から区役所機能が移転した施設の、拡張リニューアルオープン後第1弾の展覧会で、宮島達男の4半世紀にわたる活動を「クロニクル(年代記)」として紹介する。初期のパフォーマンス映像から、各プロジェクトに関連する作品まで様々な展示を観ることができるが、宮島の代名詞ともいうべきデジタル・カウンターの作品では、《地の天》(1996年)が見逃せない。恩師・榎倉康二への追悼の意をこめて制作された本作は、当時実用化されたばかりの青色LEDを使用したインスタレーションで、千葉市美術館が所蔵する宮島達男の原点ともいうべき作品だ。ちなみに、命の輝きを表す宮島のデジタル・カウンターに「0」はなく、「1」から「9」までの数字が明滅する。「0」の代わりには「死の時間」として暗闇が訪れるが、そこから必ず「生の時間」が瞬き始める。「輪廻転生」という東洋的な生死観を表しているようだ。

20/9/18(金)

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