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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

すばらしき世界

上手い! 惚れ惚れする演技とは役所広司さんのことを言うのではないでしょうか。そして西川美和監督は、人の表と裏とさらにその裏を描くことがやっぱり上手い! それはデビュー作の『蛇イチゴ』から変わらず、人という不思議な生き物に興味があるから登場人物全員の性格を仕草や行動というスタイルで脚本に浮かび上がらせる天才なんだと今作で確信。 罪を犯した人間は本当に悪なのか? そもそもいつから悪事を働いていたのか。そのきっかけは何だったのか? けれど彼から見たらその行為は悪なのだろうか? 元殺人犯となれば、極悪人のイメージを持ってしまう。そんな男を役所広司さんはギリギリのところでチャーミングに魅せていく。13年間獄中にいて、その前も刑務所を出たり入ったり、少年院生活もしていたいわば世間知らずの男が、現代社会にたったひとり放り出されたらどうやって生きていくのだろう? あまりに濃ゆ〜いキャラクターにうっかり感情移入しそうなところで、仲野太賀氏演じるフリーランスディレクターの視点を入れ、客観視を忘れないバランスも絶妙。彼がこうなってしまったのは社会のせいか? それとも彼自身の素行か? ディレクター独自の調査が主人公・三上を立体的に浮き上がらせ、気づけば、三上の虜になってしまうのだから仲野太賀はじめ、ベテラン陣のキャスティングにも拍手を贈りたい。すばらしいのはこの映画です。

21/2/9(火)

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