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水先案内人のおすすめ

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テレビプロデューサー テレビは見ずに演劇、映画、コンサートばかり足を運んでいる

波多野 健

1954年生まれ プロデューサー(イースト・エンタテインメント)

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

タランティーノの新作は1969年のハリウッドを舞台に描いたもので、そこには実在の有名人が次々と出てくる。スティーブ・マックイーンやブルース・リー(映画の中では「カトー」と呼ばれている。これは『グリーン・ホーネット』の助手の役かな)、それにママス&パパスなどもさりげなく出てきて楽しいのだが、片隅にロマン・ポランスキーとシャロン・テートも出てくるので心は穏やかではない。なぜならこの年の8月にシャロン・テートはカルト教団の信者たちによって惨殺されるからだ。 しかし映画は基本的に売れなくなった俳優(レオナルド・ディカプリオ)とそのスタントマン(ブラッド・ピット)のふたりの友情を中心に進んでいく。落ち目になりながらも必死に自分の役にしがみつくディカプリオがすごくいい。 1969年はタランティーノはまだ6歳だったがロサンゼルスに住んでおり、彼にとってはこの時代の空気感は特別のものなのだろう。僕にとっても、ホセ・フェリシアーノの『夢のカリフォルニア』など、カーラジオから次々と流れてくる当時の音楽はたまらなかった。 最終的にシャロン・テート事件へと映画は近づいていくのだが…。タランティーノの作り出した結末は…。なかなかお薦めです。

19/8/27(火)

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