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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる
村山 匡一郎
映画評論家、大学講師
戦車闘争
20/12/12(土)
ポレポレ東中野
半世紀ほど前の1972年は日本の変動期のひとつ。沖縄返還、日中国交正常化があった一方、連合赤軍によるあさま山荘事件、日本赤軍によるテルアビブ空港乱射事件などが起こった一年だった。そんな春から夏にかけて、相模原市では在日米軍補給廠で修理した戦車をベトナムの戦地に送り返すことがわかり、市民を中心に革新政党、新左翼党派による戦車送還阻止の反戦闘争が展開された。その100日間にわたる闘争を描いたドキュメンタリーだ。当時撮影された記録映像を交えながら、闘争にかかわった人々へのインタビューで構成しているが、多くの証言から浮かび上がってくるのが彼らのその後の人生であることは面白い。やはり胸を打つのは、出来事そのものよりも、それにかかわった人々の生き方といえる。
20/12/11(金)