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水先案内人のおすすめ

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音楽、映画、アート、ステージなど幅広いジャンルをプロデュースする

立川 直樹

1949年生まれ プロデューサー、ディレクター

21世紀の資本

おもしろいドキュメンタリー映画が並ぶ。2013年にフランスで出版、日本でも2014年に発表されてブームになったトマ・ピケティの経済書『21世紀の資本』が実にうまく、抜群のセンスで映画になった。 名作映画や小説などをふんだんに使い、過去300年の世界各国の歴史を、フランスのエレクトロポップ・デュオ、エールのジャン=ブノワ・ダンケルの書き下ろしによるテンポのいいサウンドとアレサ・フランクリンの『シンク』をはじめとする既成曲をうまく使って“資本”の観点から切って見せたのは、ニュージーランドでドキュメンタリー作家として活躍しているジャスティン・ペンバートン。アメリカの経済学者サイモン・クズネッツが提唱した、成熟した資本主義経済は平等化するという理論をひっくり返し、資本主義は成熟すると中間層が少なくなり、不平等になると説いたピケティ自らも脚色、監修、出演の3役をこなして映画製作に参加している。 アプローチの方法も視点も違うが、巨匠エミール・クストリッツァが収入の9割を貧しい人々のために寄付し、職務の合い間にはトラクターに載って農業に従事した南米ウルグアイの第40代大統領ホセ・ムヒカを追いかけたドキュメンタリー『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』も実によく出来ている。

20/3/16(月)

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