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ノージャンル、ノーボーダー。個人的アンテナに引っかかるもの

佐藤 久理子

パリ在住、文化ジャーナリスト

ホモ・サピエンスの涙

独特の色調と、絵画の一角を切り取ったかのようなシュールなセット、ぽつりぽつりと朴訥に語る青白い顔の登場人物たち。これらのアンサンブルが生み出す、摩訶不思議なロイ・アンダーソン監督の世界は、一度観たら忘れられない映像体験だ。 短い小話で構成された本作は、まだ愛を知らない純朴な青年や、信仰を失った牧師、生きる意味を見出せない疲れたサラリーマンなど、年齢も生きる時代も異なるキャラクターたちが描かれる。だが、彼らがそれぞれに負う孤独や悲しみや喜びは、すべてひとつの大きな流れとなって、観る者を優しく包み込む。 これまで世界の映画祭で評価されてきたアンダーソン監督は、「人間はいつの時代も変わらない。わたしは人間の脆さを描くことで希望を与えたいのです」と語っている。その言葉どおり、彼の映画は一瞬一瞬が、生の愛おしさを感じさせるマジックにあふれている。

20/11/17(火)

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