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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

馬三家からの手紙

描かれた事実も、さることながら、製作過程自体も映画的だが、とにかく並みのホラー映画以上に戦慄を覚える作品だった。米国オレゴン州に住む女性が、スーパーで購入した中国製のハロウィンの飾りの箱の中から、SOSの手紙を見つける。それは政治犯として捕えられた孫毅(スン・イ)が、悪名高き中国の馬三家(マサンジャ)労働教養所から密かに発信したものだった。そこには政治犯たちが拷問、洗脳されている状況が詳細に書かれていた。そのメッセージはメディアを通じて世界中に広がり、労働教養所は閉鎖されたが、今日もまだ“洗脳センター”は存在している。釈放された孫毅は、インドネシアに出国するが、それからの運命には、ただもう唖然とするしかない。人権派弁護士たちの失踪は、日本でも報道されたが、中国政府の人権迫害の実態を知る上で貴重な作品と言える。

20/3/21(土)

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