Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

古今東西、興味のおもむくままに

藤原えりみ

美術ジャーナリスト

under35 藤本 涼「クラウドフォーカスの行方」

「見ること」や「見ているものとの距離」を写真というメディアを通して追求してきた藤本涼。撮影した写真の背景を消してOHPシートにプリントし、他のモチーフを重ね合わせイメージを構成したものをポジフィルムで撮影する。あるいはインターネットで購入した花冠を撮影しスキャンしてモニターに映し出し、「触れられるかな?」とでもいうように拾ってきた木の枝で触れているところを撮影する。対象を「撮す」というよりも、撮したイメージを再構成することで、イメージの在処を曖昧にしていく。なんとも手の込んだ手法だが、そこから生まれる夢とも現ともつかないぼんやりとし光景は、時も場所も判然とせず、場合によっては何が撮されているのかも確定できない。まるで脳内を横切っていく記憶のような、とらえどころのない光景が生み出す柔らかい浮遊感が快い。暗い空間にゆっくりと点滅するライトボックスがOHPシートによるイメージを浮かび上がらせるインスタレーション作品もお見逃しなく。 

19/7/5(金)

アプリで読む