心躍る夏。きらめく夏。永遠に続きそうな、夏。ティーンズの夏は「特別」だ。 1984年、夏。アメリカ郊外の田舎町に暮らす15歳の少年デイビーは、親友たちと殺人鬼の正体をつきとめようと奮闘するが、そこは踏み入れてはならない闇だった──。 本作は思春期の少年たちの“忘れられないひと夏”を描いたサスペンスだ。カナダの映像制作ユニット「ROADKILL SUPERSTARS（RKSS）」が、1980年代のホラーやサスペンス、ジュブナイル映画にオマージュをささげて製作されたとあって、映像や音楽、そして画質も1984年に作られたかのようにキラキラとノスタルジック。80年代に映画体験を過ごした者を、回想へと誘う。 少年たちの好奇心から生まれた“ささやかな大冒険”が、皮肉にも彼らから無邪気さを奪うことになる。輝かしく特別だったあの夏は、大人になれば重苦しく、思い出すたびに胸は痛む。大人になる痛みは、いつだって残酷だ。

19/8/3(土)