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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

私をくいとめて

大九明子監督のポップな映像表現がのんさんの感性光る演技と連動して、軽やかなメロディを紡いでいく痛快作。 31歳のおひとりさまという設定でも年齢も性別も関係なく、誰かのどこかの感情にリンクし、自分の今と昔と向き合いながら、脳内の相談者“A”のように主人公の気持ちに寄り添ってしまう摩訶不思議。自分の弱いところも嫌なところも良いところも全部受け止めて抱きしめて前に進んでいこうという優しさに満ちたビタミンムービーなのがまた素敵なのです。 原作を映像化する上でのアイデアも、言葉が立体的に動き出したり、脳内の声が癒しボイスの人というのも女性たちの妄想に応えているようで遊び心抜群。年下の男性への想いをどう動かせばいいのか分からないもどかしさや、大好きな親友への嫉妬や、キャリアウーマンの先輩への思い込みだったり、“幸せ”とはなんなのか?という一度はぶち当たる問いまで、世間で言う人生の転換期的な30歳という節目を過ぎた主人公のモヤモヤが全部吐き出されるのが何故か愛おしいのです。 のん代表作間違いなしのハマり役。人類、全ての人への応援歌です。

20/12/15(火)

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