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渡辺 祥子
映画評論家
コリーニ事件
20/6/12(金)
新宿武蔵野館
『続・荒野の用心棒』のフランコ・ネロがドイツ財界の大物を射殺したファブリツィオ・コリーニ役。人気小説が原作のドイツ映画だ。新米弁護士ライネンが何も知らずに彼の官選弁護人になるが、殺された被害者はライネンの恩人で、コリーニは黙秘を続けて望みは「正義」としか言わない。殺人の動機は何か?コリーニの故郷イタリアを訪れたライネンは答えの糸口を見つける。そこからやがて見えてくるのが、かねがね私自身も不思議に思っていたこと、なぜ、第2次大戦後のドイツでナチスの高官だった連中が平然と要職につけたのか?ここにさりげなく存在している1つの法律。コリーニの「正義」に対する答えはそこにある。久々によく出来たミステリ―の面白さを堪能した。
20/6/9(火)