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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

はるヲうるひと

舞台は、本土から日に二度連絡船が出ている小さな島。島には「置屋」が点在し、本土からの客を迎えている。その置屋のひとつの三兄妹が、この映画の中心になっている。長男の哲雄(佐藤二朗)は店を仕切り、その凶悪な性格で、周囲から恐れられている。次男の得太(山田孝之)は、哲雄にこびへつらい、子分のようになり、長女のいぶき(仲里依紗)は長年の持病を患い、床に伏している。 佐藤二朗は、TV『99人の壁』や『歴史探偵』のMCや、数々の映画の助演で、そのユニークなキャラクターが人気を集めているが、ここでは監督デビュー作『memo』(08)以来12年ぶりに見事な演出力を発揮し、同時に静かな口調から一転、獰猛な凶暴さで観る者を圧倒する。複雑な人間関係が明らかになるにつれ、島の生活が現在の日本の写し絵のように見えてくるあたりが、とても面白い。

21/5/25(火)

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