評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
“燃え”なければ映画ではない!アツい作品をセレクト
相馬 学
フリーライター
WAVES/ウェイブス
20/7/10(金)
TOHOシネマズ 日比谷
ひとつのボタンのかけ違いが、とてつもない悲劇を生むことがある。それでも残された者は生きていかなければならないし、逆境にも味方は確実に存在する。本作が描くのは、そんな若者たちの心の軌跡。 前半は、レスリングの花形選手である高校生の悲劇、後半はその痛みを背負って生きる妹の心の再生の物語。『イット・カムズ・アット・ナイト』で称賛された俊英トレイ・エドワード・シュルツの演出は、キャラクターの心情に寄り添いつつ、圧倒的なリアリズムと共にそれを伝える。 兄妹の心理状態に沿って画面が縦や横に伸縮する映像の工夫に加え、彼らの心理に沿った細やかな音楽の使い方も見事。真摯にして美しい、新世代の青春映画を見逃すな!
20/7/8(水)