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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

ロニートとエスティ 彼女たちの選択

『ナチュラルウーマン』で第90回(2018年)アカデミー賞外国語映画賞を受賞したチリのセバスティアン・レリオ監督の新作。 ドラマの主な背景となる〈ユダヤ教〉と〈フェミニズム文学〉の素養不足を懸念しつつ見始めたが、自由を求めて彷徨するふたりの女性の気高い精神に深く共鳴させられた。 ヒロインのロニートに『女王陛下のお気に入り』のレイチェル・ワイズ、彼女を愛するエスティに『スポットライト 世紀のスクープ』のレイチェル・マクアダムスが扮している。実力派女優Wレイチェルの入魂の演技の激突が圧巻だ。 厳格なユダヤ教のコミュニティで生まれ育ったロニートとエスティ。思春期のふたりは惹かれ合うが、厳しい戒律がそれを赦さなかった。ロニートはユダヤ教指導者(ラビ)の父と信仰と故郷を捨ててNYに。残されたエスティは結婚してユダヤ社会に留まった。月日が流れ、父の葬儀のために帰郷したロニートはエスティと再会。ふたりの互いに封印していた熱い想いが再燃し始める。 本作が世界で最初にお披露目されたトロント国際映画祭プレミア上映時から、Wレイチェルのラブ・シーンが大きな話題となった。だがそんな話題性よりも、欺瞞と闘うふたりの勇気と奥深い精神性、その気高さこそが本作の見どころであること訴えたい。演出・撮影も共に素晴らしい。

20/2/4(火)

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