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Tak

美術ブロガー

没後220年 画遊人・若冲 ―光琳・応挙・蕭白とともに―

今や日本美術界で最も知名度があり人気を不動のものとした伊藤若冲(1716~1800)。あまり注目されませんが、若冲は当時としては大変な長寿の部類に入る85歳まで生きた絵師です。その没後220年を記念し、箱根にある岡田美術館で『画遊人・若冲展』が開催されています。 現在の若冲人気はすでに単なるブームの領域を飛び越え、しっかりと現代人の心に根差した不変的な美意識の基準となりつつあります。それはどこか若冲作品が我々鑑賞者が入り込める余地が残されているからだとこのところ思うようになりました。完璧なレオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロ作品とは対照的です。岡田美術館には《孔雀鳳凰図》や《梅花小禽図》のような若冲が持てる力を総動員して描き上げた30幅からなる「動植綵絵」(宮内庁)に通ずるような作品から、トリッキーな構図の《月に叭々鳥図》までバラエティー豊かな7点の若冲作品を所蔵しています。初期から晩年までの着色画4点・水墨画3点がそろって観られるのが『画遊人・若冲展』なのです。若冲が生きた時代は他にも多くの絵師が都で腕を競っていました。良きライバルであった円山応挙、曾我蕭白ら同時代の作品から、若冲が学んだ狩野派や尾形光琳、尾形乾山などと一緒に(時系列的に)観ることで、より一層若冲の魅力を知ることがはずです。

20/11/1(日)

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