今年は数多くの時代劇がスクリーンに登場するが、『まむしの兄弟』『極道の妻たち』シリーズなどの日本映画界のレジェンド・中島貞夫監督がその先陣を切るように20年ぶりに放つ本作は、設定の面白さで魅せる昨今の多くの時代劇とは違い、古きよきチャンバラアクションを鮮烈によみがえらせていて痛快だ。 しかも、主演の高良健吾が剣の強さを持て余し、無為に日々を過ごす脱藩浪人の多十郎に扮して、他の作品では見せたことのない表情と色香で観る者の目を釘づけに。なかなか刀を抜かない多十郎が、抜いたときは滅法強いというのも分かりやすい王道の設定だけに、手放しで熱くなれる。 そして、そこで高良が炸裂させるのが、時代劇ファン...

19/4/9(火)