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話題作、アート系作品を中心に

恩田 泰子

映画記者(読売新聞)

コリーニ事件

法律とは、正義とは、ということを改めて考えたくなる昨今、思考の補助線を引いてくれる法廷サスペンス。舞台は2001年、ベルリン。コリーニという67歳の男が、著名な実業家を殺害。動機を語らぬコリーニの国選弁護人となった新米弁護士が葛藤を乗り越えて真実に手を伸ばす。原作者シーラッハは物語を通して現実の法の不正義を突いた。背景にはドイツが抱える過去があるのだが、それだけではない。いつの世、どこの社会でも、守られるべき正義に目を凝らさなければ……。観客は、エリアス・ムバレク演じる新米弁護士と共に覚醒を促されるはずだ。コリーニ役のフランコ・ネロもさすがの存在感。映画としては、現実を見据えたつくりが好ましくもあり物足りなくもあるが。

20/6/10(水)

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