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水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
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音楽、映画、アート、ステージなど幅広いジャンルをプロデュースする

立川 直樹

1949年生まれ プロデューサー、ディレクター

ブータン 山の教室

1970年代に、前国王である第4代国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクが「GNP(国民総生産)よりもGNH(Gross National Happiness/国民総幸福量)の方が重要であると発言し、2008年には憲法でもGNHの追及を可能とすることを制定したブータンから“幸せとは何なのだろうか”と考えさせてくれる映画が登場した。タイトルは『ブータン 山の教室』。 ヒマラヤ山脈の氷河沿いにある集落で、1週間以上かけてトレッキングしなければたどり着けない僻地の村ルナナに実際にある学校を舞台に、映画も観たこともないという村人たちにも出演させて作られたものだが文句なしに“いい映画”で、「オーストラリアに行き、ミュージシャンになりたい」という夢を描きながらも渋々ルナナに行く羽目になった若手教師のウゲンの変化に心打たれながら、「いい映画の価値基準とは何なのだろう」ということも考えさせられてしまった。 監督は作家で写真家でもある現在38歳のパオ・チョニン・ドルジ。劇中で何度も歌われ、映画のラストを見事に締めくくる『ヤクに捧げる歌』が記憶に深く刻まれた。

21/3/28(日)

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