学生がたくさんの映画に触れ、その面白さを自覚するようになると、映画祭を開きたい、ミニシアターで特集を組んでみたいと思うのも自然なことだ。それは決して簡単なことではないが、今、そういう場所を保証しているのが、日本大学藝術学部映画学科の映像表現・理論コースにある一つのゼミだ。まさに実践的教育というよりない。もう8回目になるそうだが、これまでも「マイノリティ」「労働」「宗教」「天皇」といったテーマを学生たち自身が発案し、日本社会の根底に潜むトピックと映画の接点を模索してきた。 今年の主題は、日本映画における朝鮮半島の表象である。戦前期において例外的に朝鮮の人々への共感を示した清水宏、それこそ日本映...

18/12/2(日)