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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

閉鎖病棟―それぞれの朝―

『学校の怪談』シリーズなどのヒットメーカーとして知られる平山秀幸監督の最新作だが、『愛を乞うひと』(1998年)と並ぶ監督自身の新たな代表作になったと思う。それは山本周五郎賞受賞作である帚木蓬生氏の同名原作を、監督自ら初めて脚本を執筆したことからも、その意欲が窺える。長野県のとある精神病院を舞台に、死刑囚でありながら、刑の執行が失敗し、生きながらえて収容された秀丸(笑福亭鶴瓶)、そしてサラリーマンだったが、幻聴が聴こえるようになり、家族から疎まれて入院しているチュウさん(綾野剛)、父親からのDVが原因で入院している女子高生、由紀(小松菜奈)の3人を軸にドラマは展開するが、患者たちや、その周囲の人々をめぐる群像劇としても秀逸だ。国内初の実際の精神病院でのロケーションも効果的で、鮮やかなラストショットまで一気に観せる。

19/10/28(月)

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