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クラシック、歌舞伎、乱歩&横溝、そしてアイドルの著書多数

中川 右介

1960年生まれ、作家、編集者

スターダスト

デヴィッド・ボウイの若き日を描く映画。よほど熱心なボウイのファンや研究者以外は、知らない時期の話だろう。私はほとんど何も知らなかったので、まっさらな状態で観た。 ボウイのヒット曲がふんだんに流れる音楽映画を期待すると、肩透かしにあう。アルバムは出しているが注目されず、売れない時代の話なので、ラストまで、ちゃんと歌うシーンはない。 まだアメリカでは無名のボウイが、イギリスからプロモーションのために来るのだが、観光ビザだったため、ステージで歌うことができない。そんな手違いから始まる「全米横断ツアー」が描かれ、売れないミュージシャンと、冴えないプロモーターがアメリカを旅するロードムービーでもある。2人は空港で初めて会ったときから、互いにいい印象を持たない。どんな奴なんだという探り合いから関係は始まり、破綻寸前となり、互いに妥協して……と続く、その関係がどう変化していくかが、ドラマとしての見どころ。 そのツアーの過程で、ベトナム戦争末期の1971年のアメリカのカルチャーシーンの一端も垣間見える。半世紀前の音楽プロモーションがどういうものなのかも分かる。 ボウイが大スターになることは分かっているから、むしろ、こんなに売れなかったのか、こんな惨めな時期があったのかと、驚いてしまう。

21/9/24(金)

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