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水先案内人のおすすめ

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山内宏泰

ライター

倉田悟展「Ba/u/cker La/u/cker」(バッカー・ラッカー)

ペインティング作品を描き続ける新鋭による個展である。 何でもない日常の光景をデフォルメしていって、この世のあらゆるものをわずかな線と色で描くのが倉田の方法。人間や動物の姿はキャラクター化されて、一見ずいぶんユーモラスでかわいらしく思えるが、それだけじゃない。対面しているとなぜだか背筋がヒヤリとする。 大きく描かれた眼はどれも空虚で、その人物や動物が何を考えているのかまったく読めない。いや、内面なんてないんじゃないのか、この人たちには。本人たちもそのことに薄々気づいていて、どこかひどく怯えているかのよう。 それぞれの絵から「存在の不安」みたいなものが漂い出ていて、観る側は胸が掻きむしられるような思いに囚われる。複雑な感情が喚起させられる展示だ。

21/3/2(火)

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